edo1z
Posted on December 6, 2023
RustのWebフレームワークのRocketで作っているWebアプリで、tracingを使った詳細なエラーログ出力とエラーハンドリングの改善をしてみました。
前提
クリーンアーキテクチャっぽい構成を想定しています。controller, use_case, repositoryがあります。repositoryではsqlxでPostgreSQLを使います。
リポジトリ
リポジトリは下記です。
https://github.com/edo1z/rust-rocket-sqlx-sample
tracingを使った詳細なエラーログ出力
エラー発生箇所のファイルパス、行番号、エラー発生までの経緯(どのファイルのどの関数を辿ったのか)などを、出力するために、tracingクレートを利用しました。
ログ出力例
結果的にこのようなログが出力されるようになりました。
2023-12-05T07:43:24.644738Z ERROR user_controller/update{id=12}:user_use_case/update{id=12}:user_repo/update{id=12}: rust_rocket_sqlx_sample::repositories::user_repo: [DbRepoError::SqlxError] no rows returned by a query that expected to return at least one row (src/repositories/user_repo.rs:85)
user_controller
のupdate
関数(引数idが12)から、user_use_case
のupdate
関数(引数が12)に行き、そこから、user_repo
のupdate
関数(引数が12)に行って、そこでエラーが発生しているということが分かりまっす。そして、エラー発生箇所は、user_repo.rsの85行目であり、エラーはDbRepoError::SqlxError
であり、データがなかったことが分かります。分かりやすくなりました!
コードサンプル
repositoryの関数はこんな感じになっております。
#[instrument(name = "user_repo/update", skip_all, fields(id = %id))]
async fn update(
&self,
con: &mut PgConnection,
id: i32,
name: &String,
) -> Result<User, DbRepoError> {
query_as!(
User,
"UPDATE users SET name = $1 WHERE id = $2 RETURNING *",
name,
id
)
.fetch_one(&mut *con)
.await
.map_err(|e| log_into!(e, DbRepoError))
}
instrument属性
最初の行のinstrument
属性は、tracingの機能で、これを書いておくと、エラーログ出力時に、ログ発生の経緯にこの関数のnameや、引数が出力されます。controller, use_case, repositoryに全部書いておくと、全部順番に出力されるので、一目でログ出力時の実行順序が分かります。ただ、ログに引数の値を出力させるというのは、かなり危険な香りがしますので、基本的にはskip_all
を設定して、表示させても問題なく、且つ、表示させたいものは、個別にfields
で設定するという方針にしています。これは、危ないから使わないという選択肢もあるのかもなーとは思いました。どうもデフォルトでOFFには簡単にはできなそうだったのですが、もしデフォルトOFFができると、より安心かなあと思っております。
log_into!マクロ
最後の行の、log_into!
マクロは下記になっております。
#[macro_export]
macro_rules! log_into {
($error:expr, $target_type:ty) => {{
let converted_error: $target_type = $error.into();
tracing::error!("{} ({}:{})", converted_error, file!(), line!());
converted_error
}};
}
エラーをtarget_type
の別のエラーに変換して、そのエラーをファイルパスと行番号と共に、tracingのerror!
を使ってログ出力するマクロになります。ただの関数ですと、ファイルパス・行番号はこの関数のファイルパス及び行番号になりますので、それもあって、マクロにしております。もしファイルパス・行番号が不要であれば、自動でエラーは変換できるので、このようなマクロを使う必要はありません。
エラーハンドリングの改善
use_caseでrepository等で発生したエラーの詳細を把握し、細かくエラーハンドリングできるようにしつつ、なるべくシンプルにしたいと考えていまして、現状としては、結構いい感じな気がしてます。
ポイント① DbRepoErrorでラップ
DbRepoError
は下記です。thiserrorクレートという便利ツールを使うことで、記述量が激減しました。from
アトリビュートを設定することで、sqlx::Error
はDbRepoError::SqlxError
に自動変換されます。これで、各エラーの詳細を残しつつ、DbRepoError
としてuse_caseに渡せるようになりました。
use thiserror::Error;
#[derive(Debug, Error)]
pub enum DbRepoError {
#[error("[DbRepoError::SerdeError] {0}")]
SerdeError(#[from] serde_json::Error),
#[error("[DbRepoError::SqlxError] {0}")]
SqlxError(#[from] sqlx::Error),
#[cfg(test)]
#[error("Dummy error for testing")]
DummyTestError,
}
ポイント② use_caseで詳細をハンドリングしつつAppErrorに自動変換
AppError
は現在こちらのようになっております。DbRepoError
が自動的にAppError::DbError
に変換されるようになっています。また、RocketのResponder
が実装されており、レスポンスにそのままAppError
が使えるようになっております。そして、レスポンス時のステータスコードも紐づけされています。その他、anyhowを真似したapp_err
関数と、app_err!
, app_err_bail!
, app_err_ensure!
マクロを作成しました。
AppErrorのコード(一部)
#[derive(Debug, Error)]
pub enum AppError {
#[error("Database Error")]
DbError(#[from] DbRepoError),
#[error("Bad Request")]
BadRequest,
#[error("Unauthorized")]
Unauthorized,
#[error("Forbidden")]
Forbidden,
#[error("Not Found")]
NotFound,
#[error("Internal Server Error")]
InternalServerError,
#[error("{message}")]
CustomError { status_code: u16, message: String },
}
impl AppError {
pub fn new(status_code: u16, message: &str) -> Self {
AppError::CustomError {
status_code,
message: message.to_string(),
}
}
pub fn status_code(&self) -> u16 {
match self {
AppError::DbError(_) => 500,
AppError::BadRequest => 400,
AppError::Unauthorized => 401,
AppError::Forbidden => 403,
AppError::NotFound => 404,
AppError::InternalServerError => 500,
AppError::CustomError { status_code, .. } => *status_code,
}
}
}
use_caseのコードサンプル
下記のdelete
は、from
を使って自動変換させています。update
では、対象データが存在しない場合は、BadRequest
エラーを返すようにしています。このように、use_caseで、細かいエラーハンドリングが出来るようになりました。
#[instrument(name = "user_use_case/update", skip_all, fields(id = %id))]
async fn update(
&self,
repos: &Repos,
db_con: &mut DbCon,
id: i32,
name: &String,
) -> Result<User, AppError> {
repos
.user
.update(&mut *db_con, id, name)
.await
.map_err(|e| {
if let DbRepoError::SqlxError(sqlx::Error::RowNotFound) = &e {
AppError::BadRequest
} else {
AppError::from(e)
}
})
}
#[instrument(name = "user_use_case/delete", skip_all, fields(id = %id))]
async fn delete(&self, repos: &Repos, db_con: &mut DbCon, id: i32) -> Result<(), AppError> {
repos
.user
.delete(&mut *db_con, id)
.await
.map_err(|e| AppError::from(e))
}
今後やりたいこと
- メトリクスの収集
- Datadogで集計・グラフ表示
- Datadog経由でSlack通知
- レスポンスのjson化(今エラーメッセージがテキスト)
Posted on December 6, 2023
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